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その時分、一度眼を国外に向けるとそれは実に危険千万な時代でした。
北からはロシヤの赤い手が伸び、南からは腹黒いイギリスが、
日本をつかみかけているのです。
将軍も幕府の役人も、一向にそれに気づかず国民も知らぬが仏で、
泰平の眠りをむさぼっていました。
しかし常々外国の動きを注視していた先生は遂にこらえ切れなくなって、天保10年の正月
「愼機論(しんきろん)」
を書いて、その事を当局者にそれとなく知らせようといたしました。
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