16/21ページ
|
田原へ着いた眞木重郎兵衛は、先生の代わりとなって色々と指図をしました。 お殿様始め領内のものは、心をあわせ、力をあわせて働いたので、領民はやっと一命を取止め、 先生の御心尽しに唯々感涙にむせぶのでありました。 幕府はこの事情を知って、前例のない表彰式を江戸城内に挙げました。 それから先生は少し病気が軽くなったので今度は痩せた田原を建直すために、 佐藤信淵(さとうのぶひろ)、大蔵永常(おおくらながつね)というような殖産の大家を招き、 作物の改良、増産の工夫を指導してもらいました。 |