紙芝居11枚目
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語り
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 わが身を忘れてひたすらに藩のために精進される崋山先生の働き振りに、
康直侯いたく満足され、天保三年遂に家老に挙げられました。
その年の秋のこと田原藩内赤羽根の海岸に一隻の難破船が打ち上げられました。
 何も知らぬ海岸の人達は、その船から全部の荷物を拾い取ってしまいました。
 後になってそれが、紀州藩のものとわかり遂に公儀へ訴えられ、大変な騒ぎとなりました。
 三宅侯は先生に「うまく解決せよ」と命じました。
それから先生は夜もろくろく眠らず、食事も忘れて方々を奔走し、
漸く事件を内済にすることができました。
漁夫達は生き返ったように喜び合いました。

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