|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
6/21ページ
もともと貧乏であった先生の家は、大勢の子供と、お父様の長患いのため
その日の暮らしに困る程になりました。
そして家中の者が餓死を待たねばならぬ程になったので、
遂に幼い弟をお寺へやることになりました。
その日はひどい雪で、板橋まで送って行った先生は、見も知らぬ寺男に手をひかれながら、
後をふりむきふりむき別れて行く弟を、無量の感慨にふけりながら、
雪の中に姿の消え去るまで、じっと見送っていました。
×ウィンドウを閉じるX