◆渡辺小華
渡辺小華
「渡辺小華印顆」
渡辺小華
「煙草棉花写生図」
渡辺小華(1835〜1887)は、渡辺崋山の二男として江戸麹町(現在の東京都千代田区隼町)田原藩邸に生まれました。崋山が田原池ノ原の地で亡くなった時にはわずかに7歳でした。その後、弘化4年(1847)13歳の小華は田原から江戸に出て、椿椿山の画塾琢華堂に入門し、椿山の指導により、花鳥画の技法を習得します。嘉永4年(1851)、江戸田原藩邸で世子三宅康寧のお伽役として絵画の相手を命じられました。
嘉永7年、絵の師椿山が亡くなると、独学で絵を勉強します。安政3年(1856)、江戸在勤の長兄立が25歳で亡くなったため、22歳の小華は渡辺家の家督を相続し、30歳で田原藩の家老職、廃藩後は参事の要職を勤めました。明治維新後、田原藩務が一段落すると、田原・豊橋で画家としての地歩を築き上げました。第1回内国勧業博覧会(明治10年)、第1回内国絵画共進会(同15年)に出品受賞し、明治15年(1882)上京し、中央画壇での地位を確立していきます。花鳥画には、独自の世界を築き、宮内庁(明治宮殿)に杉戸絵を残すなど、東三河や遠州の作家に大きな影響を与えましたが、53歳で病没します。
本年は小華没後、120年にあたり、今回の展覧会では、小華作品として琢華堂入門中の嘉永2年の作品から晩年までの作品約100点と、渡辺崋山から椿椿山に継承される花鳥画家として崋山の末弟渡辺如山、椿山の長男椿華谷もあわせて展示し、総計約140点の作品で崋椿系画
家の幕末から明治時代中期までの流れを総合的に回顧する企画となります。
なお、会期中には作品の展示替が、後期10月23日からあります。
渡辺崋山 「牡丹図」(重要美術品・天保12年・田原市博物館蔵)
椿 椿山 「蔬果図」(嘉永2年・田原市博物館蔵)
椿 椿山 「渡辺崋山像」(重要文化財・嘉永6年・田原市博物館蔵)
椿 華谷 「牡丹子母猫図」(嘉永2年・田原市博物館蔵)
椿 華谷 「椿椿山像画稿」(田原市博物館蔵)
渡辺如山 (参考:崋山「客坐掌記」(天保8年)より)
渡辺如山 「梅花長春図」(天保年間・田原市博物館蔵)
「渡辺小華印顆」(田原市文・田原市博物館蔵)
「渡邊小華先生四十九歳写照」(田原市博物館蔵)
渡辺小華 「煙草棉花写生図」(田原市博物館蔵)
主催:田原市博物館・財団法人崋山会・中日新聞社
後援:愛知県教育委員会・NHK名古屋放送局
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渡辺崋山
「牡丹図」 |
椿 椿山
「蔬果図」 |
椿 華谷
「牡丹子母猫図」 |
渡辺如山
「梅花長春図」 |
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