平常展 芝村義邦コレクション〜浮世絵を中心に

開催日 平成24年4月14日(土)〜5月27日(日)
開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場 企画展示室2

展示作品リスト

企画展示室2
武者絵・役者絵
No. コレクションNo. 資料名 落款名 点数 備考(興行名)
1 420〜422 平清盛怪異を見る図 歌川広重 3  
2 14 四世岩井半四郎の乳人 重の井 東洲斎写楽 1  
3 58 お七 市川門之助 歌川豊国 1 敵討櫓太鼓
4 60 桜丸 尾上松助 女房八重 沢村田之助 歌川豊国 1 菅原伝授手習鑑
5 63 七変化之内 けいせい 中村歌右エ門 歌川豊国 1 遅桜手葉七文字
6 157 猿若三のふれん尽 赤間屋源左衛門 実ハ観音久治 中村芝翫 歌川国貞 1  
7 158 猿若三のふれん尽 井筒与三郎 沢村訥升 歌川国貞 1  
8 159 猿若三のふれん尽 きられおとみ 沢村田之助 歌川国貞 1  
9 163 民谷伊右衛門 市川海老蔵 歌川国貞(五渡亭国貞) 1 本朝廿四考
10 164 お岩ゆうこん 尾上菊五郎 歌川国貞(五渡亭国貞) 1 本朝廿四考
11 181 芝居番付絵入 歌川国貞(香蝶楼国貞) 1  
12 267 荒獅子男之助輝光 歌川豊国 1 襷廓三升伊達染
13 272 猿田彦太夫 正直正太夫 歌川豊国 1  
14 349〜351 稚立武勇揃 歌川国芳(一勇斎国芳) 3  
15 343〜345 新田左中将義貞 兵庫に尊氏と戦う図 歌川国芳(一勇斎国芳) 3  
16 340〜342 木曽冠者義仲 平家を亡さんと一族郎従をあつめ出陣の図 歌川国芳(一勇斎国芳) 3  
17 314〜316 伊達競高評鞘当 出雲屋於国、不破伴左衛門重勝、名古屋山三元春 歌川国芳(一勇斎国芳) 3  
18 311〜313 道具や甚三 実ハ吉田の下部軍助 市川高麗蔵
永楽や娘おくみ 嵐亀之丞、法界坊 関三十郎
歌川国芳(一勇斎国芳) 3 隅田川劇場縁日
19 246〜248 早川高景、七浦太夫、福桝屋大助 歌川豊国 3  
美人画
No. コレクションNo. 資料名 落款名 点数 備考
20 186 東海道五十三次之内 日本橋 歌川国貞(香蝶楼国貞) 1  
21 2 美人大首 菊川英山 1  
22 4 雛形若菜の初模様 丁子屋内 とよ春 磯田湖龍斎 1  
23 44 藍絵 今容音曲松の葉 渓斎英泉 1  
24 46 尾張屋内喜長 渓斎英泉 1  
25 305 東都名所ノ内 梅若塚 木母寺 歌川国安 1  
26 310 忍恋 歌川国丸(一圓斎国丸) 1  
27 19〜20 美人 菊川英山 2  
28 182〜183 花魁 歌川国貞(五渡亭国貞) 2  
29 184 鷹匠 歌川国貞(香蝶楼国貞) 2  
30 792 小供風俗 かげやとうろくじ 宮川春汀 1  
宮川春汀錦絵
No. 資料名 発行年 発行所 雅号 点数 備考
31 小供風俗 さつき人形 明治30(1897)年 滑稽堂 1  
32 小供風俗 やり羽子 明治29(1896)年 滑稽堂 春汀漁史 1 平成23年度購入
33 小供風俗 盲鬼 明治29(1896)年 滑稽堂 春汀漁民 1 平成23年度購入
34 小供風俗 野遊 明治29(1896)年 滑稽堂 春汀漁民 1 平成23年度購入
35 小供風俗 物詣 明治29(1896)年 滑稽堂 宮川春汀 1 平成23年度購入
36 小供風俗 汐干がり 明治29(1896)年 滑稽堂 春汀漁民 1  
37 小供風俗 茶乃湯 明治29(1896)年 滑稽堂 宮川春汀 1 平成23年度購入
38 小供風俗 淀の川瀬 明治29(1896)年 滑稽堂 宮川春汀 1 平成23年度購入
39 小供風俗 千手観音 明治29(1896)年 滑稽堂 春汀逸人 1 平成22年度購入
40 小供風俗 向乃叔母さん 明治29(1896)年 滑稽堂 応需宮川春汀 1 平成22年度購入
41 木版口絵 明治期 不明 2 平成23年度購入
42 美人十二ヶ月 其三 桜がり 明治31(1898)年 大黒屋 宮川春汀 3 平成23年度購入
43 美人十二ヶ月 其五 藤見 明治32(1899)年 大黒屋 春汀漁史 3  
44 風俗通 村雨 明治30(1897)年 具足屋 春汀漁史 1  
45 風俗通 銀世界 明治30(1897)年 具足屋 春汀漁史 1  

※期間中、展示を変更する場合がございます。また展示室は作品保護のため、照明を落としてあります。ご了承ください。

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芝村義邦コレクション

当館所蔵コレクションには、芝村義邦氏寄贈の浮世絵が多数あります。今回は、武者絵・役者絵・美人画を中心に展示します。
 浮世とは、戦国の世が終焉を迎え、平和となった現世をひたすら謳歌する生き方を意味します。それまでの無常観の憂世から決別した態度、すなわち現世を楽土と見る考え方が芽生えました。17世紀後半、それが近世初期絵画の世界にも投影されて、浮世を画題とした浮世絵が成立しました。
 浮世絵には、武者絵、役者絵、美人画、花鳥画、相撲絵などがありますが、今回は、武者絵・役者絵・美人画をご覧いただきます。今年度の大河ドラマで話題の平清盛が登場する歌川広重の「平清盛怪異を見る図」、東洲斎写楽の「四世岩井半四郎の乳人重の井」(いずれも博物館売店にて絵はがき販売中:1枚50円)などを展示します。
 また、明治期に挿絵画家として活躍した地元畠村(現在の福江町)出身の宮川春汀の錦絵もあわせて展示します。春汀の錦絵は、文明開化以後の風俗などを題材にしたものが多くあります。当館では、平成22年に秋の企画展として「挿絵画家 宮川春汀展」(展示図録:1冊1,500円、博物館売店にて販売中)を開催しましたが、以後もその作品の収集に努めています。

宮川春汀

明治6(1873)年、渥美郡畠村の廻船業と薬種問屋を営む豪商渡辺家に生まれ、旧姓を渡辺守吉といいました。
 明治23年、18歳で単身上京し、当時挿絵界で活躍していた画家富岡永洗の門下に加わり、蓬斎洗圭の名を与えられ、画作に専念し、明治25年刊行の『風俗画報』に「摘草」が採用されて以来、挿絵や錦絵、風俗画の世界に、その才能をふるいました。
 また、柳田國男、田山花袋、太田玉茖などといった明治の文人たちとの交友も広く、この春汀の存在がなかったら、柳田や田山も伊良湖を訪れることはなく、柳田が恋路ヶ浜で見つけた椰子の実をもとに詠んだとされる島崎藤村の抒情詩「椰子の実」も誕生しなかったことでしょう。

田原市博物館


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