特集展示 新日曜美術館 渡辺崋山の描く肖像画

展示期間 2007年8月31日(金)〜9月30日(日)

9月2日NHK教育テレビの「新日曜美術館」で「この人が語る 私が愛する画家 ドナルド・キーン 私と崋山」が放映されます。コロンビア大学名誉教授キーン氏は今年、崋山の生涯を綴った『渡辺崋山』を出版、「崋山の肖像画はそれまでの日本美術史に先例がない」と高く評価しています。今回の放映にあわせて番組内で紹介される作品をご覧いただけます。

展示作品リスト
田原市博物館(企画展示室2)
指定 作 品 名 作者名 年 代 備 考
重文 渡辺巴洲像画稿五図(複)
(わたなべはしゅうぞうがこう)
渡辺崋山 文政7年
(1824)
 
  岩本幸像
(いわもとこうぞう)
渡辺崋山 天保2年
(1831)
 
市文 御母堂栄之像画稿
(ごぼどうえいのぞうがこう)
渡辺崋山 天保年間  
重美 佐藤一斎像稿(第二)(複)
(さとういっさいぞうこう)
渡辺崋山 文政年間 原本個人蔵
重美 佐藤一斎像稿(第十一)(複)
(さとういっさいぞうこう)
渡辺崋山 文政年間 原本個人蔵
重文 佐藤一斎像(複)
(さとういっさいぞう)
渡辺崋山 文政4年
(1821)
原本東京国立博物館蔵
国宝 鷹見泉石像(複)
(たかみせんせきぞう)
渡辺崋山 天保8年
(1837)
原本東京国立博物館蔵
重美 ヒポクラテス像(複) 渡辺崋山 天保11年
(1840)
原本九州国立博物館蔵
重美 松崎慊堂像稿(その一)(複)
(まつざきこうどうぞうこう)
渡辺崋山 文政9年
(1826)
原本個人蔵
重美 松崎慊堂像稿(その二)(複)
(まつざきこうどうぞうこう)
渡辺崋山 天保年間 原本個人蔵
重美 笑顔武士像稿(複)
(しょうがんぶしぞうこう)
渡辺崋山 天保8年
(1837)
原本個人蔵
  竹中元真像
(たけなかげんしんぞう)
渡辺崋山 天保年間 個人蔵
重文 市河米庵像(複)
(いちかわべいあんぞう)
渡辺崋山 天保8年
(1837)
原本京都国立博物館蔵
重文 市河米庵像稿(複)
(いちかわべいあんぞうこう)
渡辺崋山 天保8年
(1837)
原本京都国立博物館蔵
重文 渡辺崋山像(複)
(わたなべかざんぞう)
椿 椿山 嘉永6年
(1853)
 
重文 一掃百態図(複)
(いっそうひゃくたいず)
渡辺崋山 文政元年
(1818)
 
  De Natuurlyke Historie der Insecten
『昆虫書』
レーゼル・フォン・ローゼンホフ 1764〜1768年  

※期間中、展示を変更する場合がございます。また展示室は作品保護のため、照明を落としてあります。ご了承ください。


作者の略歴
渡辺崋山 [わたなべ かざん] 寛政5年(1793)〜天保12年(1841)
崋山は江戸麹町田原藩上屋敷に生まれた。絵は金子金陵から谷文晁につき、人物・山水画では、西洋的な印影・遠近画法を用い、日本絵画史にも大きな影響を与えた。天保3年、40歳で藩の江戸家老となり、困窮する藩財政の立て直しに努めながら、幕末の激動の中で内外情勢をよく研究し、江戸の蘭学研究の中心にいたが、「蛮社の獄」で高野長英らと共に投獄され、在所蟄居となった。画弟子たちが絵を売り、恩師の生計を救おうとしたが、藩内外の世評により、藩主に災いの及ぶことをおそれ、天保12年に田原池ノ原で自刃した。

椿椿山[つばき ちんざん] 享和元年(1801)〜安政元年(1854)
椿山は享和元年6月4日、江戸に生まれた。幕府の槍組同心として勤務するかたわら、崋山と同様に絵を金子金陵に学び、金陵の死後、谷文晁にも学びましたが、後に崋山を慕い、師事するようになった。人物山水も描くが、特に南田風の花鳥画にすぐれ、崋山の画風を発展させ、崋椿画系と呼ばれるひとつの画系を築くことになる。また、蛮社の獄の際には、椿山は崋山救済運動の中心となり、崋山没後は二男の諧(小華)を養育し、花鳥画の技法を指導している。
作品紹介
渡辺崋山 重要文化財 一掃百態図 文政元年(1818)
崋山が、文政元年11月に26歳で描いた『一掃百態図』は、序文・跋文に古今の風俗画に関する論述を行い、鎌倉から江戸時代の寛延、明和にいたる各時代の古風俗と文化文政期の江戸の市井の風俗を一日二夜にして完成させたもので、装丁は32葉の画帖で、縦26.4p、横19.5pである。その当世風俗は走筆の素描であり、朱や墨で訂正を加えていることから稿本と考えられるが、崋山前期の代表作である。財団法人崋山会が複製・色紙を作成し、販売している。

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田原市博物館
TEL:0531-22-1720 FAX:0531-22-2028
URL: http://www.taharamuseum.gr.jp

田原市教育委員会 http://www.city.tahara.aichi.jp/section/kyoiku/ こちらもご覧ください。