春日/個人蔵ほたる狩り/御厨野文庫蔵広津柳浪著『をとこ気』口絵 明治38(1905)年/田原市博物館蔵江見水蔭著『海賊の子』口絵 明治38(1905)年/御厨野文庫蔵『文藝倶楽部』 第17巻第7号/明治44(1911)年、 第16巻第9号/明治43(1910)年 挿絵/御厨野文庫蔵

田原市博物館  平成22年 秋の企画展

挿絵画家 宮川春汀展

2010年8月28日(土)〜10月17日(日)※但し、9月20日(月・祝)10月11日(月・祝)は開館し、9月21日(火)10月12日(火)は休館します。

会場 田原市博物館
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 一般600円(480円) 小・中学生以下 無料
( )内は20名以上の団体割引料金
主催 田原市博物館、財団法人崋山会
後援 愛知県教育委員会

→ 展示作品リストはこちら

宮川春汀宮川春汀(明治6[1873]年〜大正3[1914]年)は、渥美郡畠村(現在の田原市福江町)の廻船業と薬種問屋を営む豪商渡辺家に生まれ、旧姓渡辺、名を守吉といいました。明治11年、母が絶家となっていた宮川家の跡を継ぎ、以後宮川の姓を名乗ることとなりました。

明治23年、幼少の頃より得意とした画業を志し18歳で単身上京すると、当時挿絵界で活躍していた画家富岡永洗の門下に加わり、蓬斎洗圭の名を与えられ(明治28年宮川春汀と改名)、画作に専念し、明治25年刊行の『風俗画報』に「摘草」が採用されて以来、挿絵や錦絵、風俗画の世界にその才能をふるいました。春汀がなぜ画家としての道を選んだのかはっきりしませんが、同じ郷土出身で上京し、活躍した渡辺小華にあこがれたからともいわれています。

また、春汀は柳田國男や田山花袋、島崎藤村、太田玉茗、徳田秋声、小栗風葉などといった明治の文人たちとの交友も広く、この春汀の存在がなかったら、柳田や田山も渥美半島(伊良湖岬)を訪れることはなく、柳田が恋路ヶ浜で見つけた椰子の実をもとに作詩したとされる島崎藤村の抒情詩「椰子の実」も誕生しなかったものと思われます。

今回の企画展では、郷土において未だ知られざる宮川春汀の作品や文人たちとの交流を示す資料などを展示紹介して、その人となりや芸術世界を堪能していただこうと開催します。

期間中の催し物

講演会

10月11日(月・祝)午後1時30分【入場無料】
会場:崋山会館(田原市博物館隣接)
演題:「川瀬巴水と版元・渡邊庄三郎」
講師:西山純子氏(千葉市美術館学芸員)

展示解説

9月4日(土)、10月2日(土) 午前11時
学芸員による展示説明。
※展示解説に参加希望の方は観覧料が必要となります。

『美人十二ヶ月(其九)』秋くさ/明治31(1898)年/御厨野文庫蔵
『風俗画報 第41号』摘草 明治25(1892)年/田原市博物館蔵/『こども遊』水遊明治32(1899)年/御厨野文庫蔵