平成21年秋の企画展 「海を描く」田原の美術:大羽梧郎・工藤和男・仲谷孝夫

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開催日 平成21年10月31日(土)〜12月6日(日)
開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分)
休館日 毎週月曜日(ただし、11月23日は開館し、11月24日は休館します。)
観覧料 無料
会場 渥美郷土資料館

展示解説のお知らせ

日時 11月1日(日)午前11時
講師 担当学芸員

渥美半島は、愛知県の最南端にあって南は太平洋、西は伊良湖水道を経て伊勢湾、北は三河湾と三方を海に囲まれ、黒潮の影響を受け、冬も温暖な常春の地として知られています。田原市は、半島の最先端にある伊良湖岬や恋路ヶ浜、日出の石門、一色の磯などの詩情にあふれ、絵心をゆさぶるような景勝地に恵まれています。また、豊かな自然環境が残されたこの土地には、古来より多くの文化人たちが訪れ、優れた作品を残しています。
今回の企画展では、平成18年に開催した「渥美半島を描く」に続き、自然の中でも“海”をテーマとした画家の魅力を探ります。豊かな自然景勝地に恵まれた「田原市」に対する郷土認識を新たにしていただければ幸いです。

作者紹介

◆ 大羽梧郎 Goro Ohba【1925ー1999】 「夕暮れの海」1977年 1925年、渥美郡赤羽根村高松一色(現、田原市高松町)に生まれ、1945年、愛知第二教育師範専門学校を卒業後、1947年に行動美術展に初入選します。1956年には一陽展に初入選し、1963年には一陽展で特待賞を受賞し、翌年、会友に推挙され、1965年に一陽会会員となります。1974年、発病し、左半身の自由を失うもその制作意欲は衰えず、以後も多くの作品を発表しました。1990年、カナダ美術賞展でル・サロン賞を受賞。JIAS日本国際美術家協会会員となります。1991年、ル・サロン展で入選、翌年にはアメリカ美術賞展で優秀賞を受賞。1999年、逝去。2001年、名古屋電気文化会館ギャラリーで「大羽梧郎遺作展」を開催。同年「大羽梧郎画集」発行。2006年、渥美郷土資料館特別展「渥美半島を描く」出品。2007年、ご遺族が作品を田原市博物館へ寄贈。故郷の海岸風景をこよなく愛した画家です。

「望郷」1983年/第29回一陽展 「伊良湖風景」 「一色大磯」1977年 「東尋坊」

◆ 工藤和男 Kazuo Kudo【1933ー】 1933年大分県に生まれ、1957年創元会展に初入選します。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)卒業後、東京都の教員となります。1963年に創元会会員、1965年に日展初入選、日展会員となり、1976年・1979年に日展特選、翌年からは無鑑査出品、審査員も3回務めました。1998年からは創元会理事長、2006年からは日展評議員としても活躍しています。紺綬褒章受章。海という厳しい自然と向き合って働く人を描いた作家です。

「魚市場」1994年/日展 「漁婦と魚」2004年/日展 「コンブ取りの海」2007年/日展
「自画像」2001年‐2002年

◆ 仲谷孝夫 Takao Nakaya【1918ー2006】 渥美郡田原町に生まれ、京都市立絵画専門学校で日本画を学んだ後、戦後、洋画へ転向し、郷里の田原中学校で教員をつとめながら、1951年に行動美術展に初入選します。1957年には行動美術協会会友となり、1962年には愛知県立成章高等学校の教員となります。作品の主題は緑豊かな自然とともに生きる人々の姿であり、半ば抽象化された画面の中に自然が破壊される不安な世相を反映させながら、描き出しています。1970年に行動美術協会会員となると同時に審査員をつとめ、全国・中部地方で活躍します。2001年、豊橋市美術博物館で「仲谷孝夫展」を開催。2006年1月、逝去。2008年には遺族から作品が田原市博物館へ寄贈されました。


「遠州灘その愛」1980年/第22回中部行動展 「海苔の人」1959年/第1回中部行動展 「遠州灘(白い風)」1980年/第35回行動美術展
渥美郷土資料館 〒441‐3695 愛知県田原市古田町岡ノ越6‐4
TEL:0531-33-1127/FAX:0531-34-1010
交通案内:JR・名鉄「豊橋」駅から豊橋鉄道渥美線乗車、「三河田原」駅下車、豊橋鉄道バス伊良湖本線乗車、「福江」バス停下車、徒歩15分(田原市役所渥美支所敷地内)

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